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税理士 長嶋佳明
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2013.07.23
教育資金一括贈与制度を利用しても贈与税が課税されることがある

教育資金一括贈与制度は、教育資金として贈与した1500万円までについて、贈与税を非課税とする制度です。
この教育資金一括贈与制度を利用しても贈与税が課税されることがありますので、注意が必要です。
贈与税が課税されるのは、次の2つのケースです。

(1)贈与を受けた孫が30歳になったときに教育資金として使用されなかった残高がある
(2)贈与をした祖父母が死亡した場合

 

 

【教育資金一括贈与制度とは?】
教育資金一括贈与制度とは、平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に、祖父母から孫へ教育資金の贈与がされた場合に、金融機関において教育資金管理契約を結んだときは、1500万円までの贈与について贈与税を非課税とする制度です。

 

 

【教育資金一括贈与制度を利用しても贈与税が課税されることがある】
贈与税が課税されるのは、次の2つのケースです。

(1)贈与を受けた孫が30歳になったときに教育資金として使用されなかった残高がある
(2)贈与をした祖父母が死亡した場合

 

(1)贈与を受けた孫が30歳になったときに教育資金として使用されなかった残高がある
金融機関と契約した教育資金管理契約は、教育資金の贈与を受けた孫が30歳になった場合などに終了することになっています。
この教育資金管理契約が終了したときにおいて、教育資金として使用されなかった残高があるときは、教育資金管理契約が終了したときに祖父母から孫へ贈与されたものとして、贈与税が課税されます。

 

(2)贈与をした祖父母が死亡した場合
金融機関と契約した教育資金管理契約が終了する前に、教育資金を贈与した祖父母が死亡した場合において、教育資金として使用されなかった残高があるときは、祖父母が死亡したときに祖父母から孫へ贈与されたものとして、贈与税が課税されます。

 

 

【贈与税は一般の贈与のときよりも安くなる】
贈与税の税率は、現在次のようになっています。

・200万円以下 →10%
・300万円以下 →15%
・400万円以下 →20%
・600万円以下 →30%
・1000万円以下 →40%
・1000万円超 →40%

 

平成25年税制改正において、平成27年1月1日以後の贈与について次の条件を満たす場合には、贈与税の税率が次のように引き下げられることになりました。

・贈与をする人→祖父母
・贈与を受ける人→20歳以上の孫

・200万円以下 →10%
・400万円以下 →15%
・600万円以下 →20%
・1000万円以下 →30%
・1500万円以下 →40%
・3000万円以下 →45%
・4500万円以下 →50%
・4500万円超 →55%

 

教育資金一括贈与制度により贈与税が課税される場合には、祖父母から孫への贈与として取り扱われるため、贈与税率が引き下げられます。

 

 

【相続税申告Q&A参考ブログ】
・相続税対策に活用する生前贈与|教育資金の贈与税非課税制度

・相続税対策に生前贈与、贈与の証拠は残すべきですか?(2013.06.21)

・相続税対策に生前贈与はしたほうが有利ですか?(2013.05.17)

・孫への生前贈与、贈与税の減税を平成25年度税制改正で検討へ(2013.01.14)

・相続税の節税対策は生前からしておいたほうがよいのでしょうか?(2012.04.22)

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