【ご質問】
父の相続税の計算について教えてください。
父には借入金があり、借入をする条件として生命保険に加入しています。
もし父が亡くなったときは、この借入金の返済は生命保険金からされることになり、借入金は精算されます。
この場合、生命保険金はプラスの財産として考え、借入金はマイナスの財産として考えるのでしょうか。
それとも、プラスの財産とマイナスの財産が相殺されるので、相続税を計算するときには何も考慮しなくてもよいのでしょうか。
【税理士長嶋の回答】
生命保険金はプラスの財産、借入金はマイナスの財産として、それぞれ相続税の計算に含めます。
【プラスの財産とマイナスの財産は区別して考える】
相続税を計算するときは、プラスの財産とマイナスの財産は区別して考えます。
ご質問の場合、生命保険金はプラスの財産として相続財産に含まれます。
生命保険金として相続財産に含まれる金額は、生命保険金から生命保険金の非課税を差し引きます。
生命保険金の非課税は次の算式により計算します。
生命保険金の非課税=500万円×法定相続人の数
また、借入金はマイナスの財産として相続財産に含まれます。
借入金として相続財産に含まれる金額は、借入金の金額となります。
【住宅ローンの場合は考え方が異なる】
もし、お父様の借入金が住宅ローンの場合は、上記のような考え方はしませんのでご注意ください。
住宅ローンを組むときは、一般的には団体信用生命保険(団信)に加入することになります。
団信は、住宅ローンの契約者が死亡したときや高度障害になったとき、本人に代わって生命保険会社が住宅ローンの残高を支払うというものです。
この団信は、一般的な生命保険とは考え方が異なります。
そのため、相続税を計算する時も「生命保険金はゼロ・住宅ローンの残高もゼロ」と考えます。
つまり、相続税の計算には何も影響してこないということになります。
【相続税申告Q&A参考ブログ】
・相続税対策に活用する生命保険