相続税申告Q&A

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税理士 長嶋佳明
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2013.07.10
預金凍結前に引き出した現金に相続税は課税されますか?

【ご質問】
母がガンになり、余命宣告を受けました。
母の銀行口座に貯金があるため、子供である私の口座に少しずつ移していこうと考えています。
このとき、何か問題が起こる可能性はあるでしょうか。
相続税や贈与税に何か影響はあるのでしょうか。

 

 

【税理士長嶋の回答】
お母様の口座から子供さんの口座へ預金を移しても問題ありませんが、念のためご兄弟などの承諾を得ておいたほうがよいでしょう。
もし、預金を移した場合、贈与税ではなく相続税の問題が出てきます。

 

 

【銀行口座が凍結された時に備えるため現金を引き出すことはよく行われる】
相続が開始されると、いずれ銀行口座が凍結されますので、被相続人の銀行口座から現金を引き出すことができなくなります。
面倒なことにならないように、葬儀費用や医療費の支払いに備えるために銀行口座から現金を引き出すことはよく行われます。

もし、ご兄弟がいらっしゃるようであれば、その方々に事前に承諾を得ておいたほうがよいでしょう。
無断で現金を引き出すことで後々トラブルになる可能性があります。

 

 

【引き出した現金には相続税が課税される】
葬儀費用や医療費の支払いのために引き出した現金は、子供さんの銀行口座に預け入れることになるかと思います。
この引き出した現金は、お母様の相続財産となりますので、相続税を計算するときにも含めなければなりません。
もし、預金を引き出せば相続税がかからないとお考えであれば、その期待はしないほうが良いでしょう。

相続税が課税されるときは、相続人は相続税の申告書を提出します。
税務署は、必要があれば銀行に対して預金データを提出させることができますので、これらの資料で税務調査の下調べを行います。
おおむね、相続開始前5年分の預金の動きをチェックすることになります。

このように、税務署は預金の動きを確認していますので、隠そうと思っても無駄な努力であることがわかります。

 

 

【相続税申告Q&A参考ブログ】
・相続税税務調査対策ガイド

・父から母に名義変更した預金に相続税はかかりますか?(2012.12.04)

・子供名義の預金に相続税は課税されますか?(2012.06.02)


・相続による預金口座凍結のために引き出した現金に贈与税がかかる?(2012.05.28)

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