【ご質問】
相続税の申告をするときの小規模宅地の特例について質問させてください。
現在、自宅として使っている土地・建物の名義は私になっています。
もし私に相続があったときに子供が同居していれば、子供は小規模宅地の特例を適用することができるのでしょうか?
なお、土地の面積は600平方メートルあるのですが、小規模宅地の特例は240平方メートルまで適用できると聞きました。
240平方メートルを超える部分の相続税はどうなるのでしょうか。
【税理士長嶋の回答】
子供さんが同居しているときは、小規模宅地の特例を適用することができるため、240平方メートルまでは8割引で評価することができます。
また、240平方メートルを超える部分には小規模宅地の特例は使えませんので、通常通りの土地評価額として相続税が計算されます。
【小規模宅地の特例を適用するには条件がある】
小規模宅地の特例を適用するには、次の2つの条件をクリアしなければなりません。
(1)自宅の土地を誰が相続するのか?
(2)相続税の申告期限まで自宅に住み続けなければならない
(1)自宅の土地を誰が相続するのか?
自宅の土地を誰が相続するのかにより、小規模宅地の特例が使える人と使えない人がでてきます。
被相続人の配偶者は、無条件で小規模宅地の特例を使うことができます。
配偶者以外の親族が相続するときは、被相続人と同居していることが条件となります。
相続があったときに子供さんが同居していれば小規模宅地の特例を使うことができますが、子供さんが別の場所で家庭を持って生活していたり単身赴任で自宅を離れていたりすると同居しているとは言えませんので、小規模宅地の特例を使うことができません。
(2)相続税の申告期限まで自宅に住み続けなければならない
被相続人の配偶者は、自宅の土地を相続するだけで無条件で小規模宅地の特例を使うことができます。
配偶者以外の親族が相続するときは、相続があったときから相続税の申告期限まで、自宅の土地を所有してその自宅で生活をしていることが条件となります。
相続税の申告期限よりも前にその自宅を売却してしまったり、その自宅に住まなくなったときは小規模宅地の特例を使うことができません。
【相続税申告Q&A参考ブログ】
・相続税の申告、小規模宅地の特例は適用できますか?(2012.07.24)