【ご質問】
相続時精算課税を選択したときは、必ず相続税の申告をしなければならないのでしょうか?
相続時精算課税を利用して母から土地を贈与してもらう予定です。
母の財産はこの土地以外に大きなものはなく、もし母に相続があったとしても相続税の基礎控除以下になり相続税はかかりません。
このような場合でも、母の相続のときには相続税の申告は必要でしょうか?
【税理士長嶋の回答】
お母様に相続があったとしても、相続税の申告をする必要はありません。
ただし、相続時精算課税を選択したときに贈与税を払う場合、相続税の申告をすることで払った贈与税が戻ってきます。
この場合は、相続税の申告をしたほうが有利になります。
【相続時精算課税は贈与税と相続税をトータルで考える】
相続時精算課税は、贈与税と相続税をトータルに考える制度となっています。
相続時精算時課税の流れは次のようなものです。
(1)財産を贈与する
(2)贈与された人は、贈与をされた財産に対して、贈与税を払う
(3)贈与をした人が亡くなったとき、贈与をした財産を相続財産にプラスして、相続税を計算する
(4)計算した相続税から、既に支払った贈与税を差し引いて相続税を払う
今までの贈与(110万円までの非課税)は、贈与をしてしまえば、贈与した財産に対しては相続税はかからない制度でした。
しかし、相続時精算課税は、贈与税を仮払いしておいて、改めて相続税を計算するという方式を取ります。
このような意味で、贈与税と相続税をトータルで考える制度といえます。
【贈与税を払っているときは贈与税が戻ってくる】
相続時精算課税は、贈与をした財産を相続財産にプラスして相続税を計算することになっています。
このとき、贈与をした財産をプラスして計算した相続財産が相続税の基礎控除以下であれば、相続税はかからないことになります。
また、相続時精算課税は、既に払った贈与税が戻ってくる制度でもあります。
そのため、相続税がかからないときでも相続税の申告をすることで、既に払っている贈与税が戻ってくることになります。
この場合は、相続税の申告をしたほうが有利となります。
【相続税申告Q&A参考ブログ】
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