【ご質問】
贈与を受けた年に相続があったときの相続税と贈与税について教えてください。
今年1月、父から子供と孫にそれぞれ500万円ずつ贈与をしました。
そして、今年3月に父が亡くなりました。
父の遺産相続については、子供は財産を相続する予定で、孫は財産を相続しない予定です。
このような場合、父から子供と孫に贈与をした財産について、相続税が課税されるのでしょうか?
それとも、相続税と贈与税の両方が課税されてしまうのでしょうか?
【税理士長嶋の回答】
子供さんに贈与された財産については、相続税が課税されることになりますが、贈与税は課税されません。
お孫さんに贈与された財産については、相続税は課税されませんが、贈与税は課税されることになります。
【相続があった年の贈与は相続財産に含める】
相続などにより財産を取得した人が、被相続人から相続があった年に贈与を受けた財産があるときは、贈与税を課税しないで贈与を受けた財産を相続税の計算に含めることになっています。
そのため、贈与を受けた財産には相続税が課税されますが、贈与税は課税されません。
ご質問の場合、子供さんは相続により財産を取得していますので、贈与を受けた財産について相続税の申告が必要であり、贈与税の申告は不要ということになります。
【相続により財産を取得していないときは贈与税が課税される】
贈与税は、贈与により財産を取得した人が贈与を受けた財産に対して課税されるものです。
本来であれば、子供さんのケースでも贈与税が課税されることになりますが、贈与税を課税すると相続税と贈与税の二重課税になってしまう事情から、贈与税は課税しないという取り扱いになっています。
ところが、お孫さんの場合お父様の相続により財産を取得していないため、贈与を受けた財産について相続税と贈与税の二重課税という問題は出てきません。
ご質問の場合、お孫さんが贈与を受けた財産については贈与税が課税されることになり、相続税は課税されないということになります。
【相続税申告Q&A参考ブログ】
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