【ご質問】
父が高齢になりましたので、そろそろ遺産相続の準備を考えていこうと思っています。
父の財産は、預貯金や自宅の土地・建物、投資信託がいくつかあり、相続税がかかりそうです。
相続税の申告手続きは税理士さんにお願いしようと思っています。
ここで質問させていただきたいのですが、税理士さんは不動産の名義変更なども含めて、遺産相続に関する手続きをすべてやってくれると考えてよいのでしょうか。
【税理士長嶋の回答】
遺産相続に関する手続きの中で税理士ができないのは、不動産の名義変更のみです。
不動産の名義変更は司法書士さんの仕事になりますので、別途司法書士さんにお願いすることになります。
【相続税がかかるときはまずは税理士にご相談】
税理士長嶋の経験則ですが、相続税がかかるときは、まず税理士に相談されたほうがよいと思います。
その理由は、次のようなお客様によくお会いするからです。
(1)不動産の名義変更を司法書士さんにお願いした
(2)司法書士さんはお客様の言われたとおりに、不動産の名義変更をした
(3)相続税がかかりそうなので、税理士に相談してくださいと言われた
(4)不動産の名義変更が終了した状態で、税理士長嶋にご相談いただく
お客様が不動産の名義変更が必要と思われ、まず司法書士さんを探す「手間」をかけています。
その次に、税理士を探す「手間」をかけられています。
つまり、2回「探す」という手間をかけられています。
司法書士さんには知り合いの税理士がおられないケースがとても多いですが、税理士には司法書士さんの知り合いがいるケースがほとんどです。
税理士長嶋はいつもお客様に次のようなことをお話します。
「最初に税理士に相談されたら司法書士を探す手間をかけなくてもよかった」
お客様は例外なく「そうだったのね・・・」とおっしゃいます。
【不動産の名義変更を先に行うと相続税が高くなる可能性もある】
相続税は、遺産相続によりどの相続人がどの財産を相続したのかで、税額が決まります。
不動産の名義変更をするときは、遺言書がある場合を除いて、遺産分割協議書を作成します。
つまり、不動産の名義変更をするということは、不動産についての遺産相続が終了したことを意味します。
相続税が高いか安いか、という点も気になるところだと思います。
相続税は、遺産相続の仕方で増えることもあれば減ることもあります。
お客様の中には、相続税が安くなるように遺産相続を検討される方もおられます。
不動産の名義変更を先に行うと相続税が高くなる可能性もありますので、最初に誰に相談すればよいのかをよく検討されることをお勧めします。
【相続税申告Q&A参考ブログ】
・相続税の申告手続きは弁護士さんに頼むのでしょうか? (2012年4月11日)